LAB — AI VOICE / 2026.08.19最終更新 2026.08.20
AI音声3サービス検証の生記録(2026年8月19日)
ElevenLabs・Speechify Studio・Murf に、同じ日本語原稿を読ませたときの一次記録です。 きれいにまとめた記事ではなく、後から同じ条件で再現するための記録として置いています。
読者が「どれを選ぶか」を決めるための記事は AI音声3社を同じ日本語原稿で比較 にあります。このページはその裏側です。
検証の目的
英語圏のレビューを読んでも、日本語で使えるかどうかは分かりません。そこで、同じ日本語原稿を3サービスに読ませて、自分の耳で比べることにしました。目的は次の3つです。
- 日本語の読み上げが、実務で使える水準かを自分で確かめる
- 数字・英語・固有名詞・感情表現という「崩れやすい4つ」で差が出るかを見る
- 無料枠でどこまでできるか、クレジットがどう減るかを実際に測る
共通原稿
JIBUNMUKI標準日本語音声テスト原稿(約774文字)を使いました。基本的に同じ原稿を各サービスへ入力しています。
原稿には、次の要素を意図的に入れてあります。
- 普通の日本語会話
- 日時
- 金額
- パーセント
- 数字
- 英語のサービス名
- 固有名詞
- 感情表現
- 長文
- YouTubeナレーションを想定した文章
⚠️ 原稿の全文は、このページにまだ掲載していません。比較を再現するには全文が必要なので、次の更新で追記します。 ここに「それらしい文章」を置くことはしません。実際に読ませた原稿でなければ、記録として意味がないためです。
各サービスの条件
今回選んだボイス・モデル・設定です。記録していない項目は「記録なし」と書いています。あとから思い出して書き足すことはしません。
| サービス | プラン | モデル | ボイス | 設定 |
|---|---|---|---|---|
| ElevenLabs | Free | Eleven Multilingual v2 | Koichi — Japanese Deep Calm Narrator | 記録なし(初期設定のまま) |
| ElevenLabs | Free | Eleven Multilingual v2 | Kyo — Low, Soft & Steady | 記録なし(初期設定のまま) |
| ElevenLabs | Free | Eleven v3 | Kyo — Low, Soft & Steady(v2と同じボイス) | 記録なし(モデル以外は変えていない) |
| Murf | Free | Gen 2 / Conversational | 日本語 — Denki | ほぼ初期設定(Pitch・Speed・Pause等は追い込んでいない) |
| Speechify Studio | Studio Free | 記録なし | 日本語対応ボイス(画面表示は「Japanese +22」「United States」) | Enhance なし(Enhance版は別途) |
ElevenLabs 無料枠のクレジット増減(実画面)
画面に表示された数字をそのまま記録しています。
| 時点 | 操作 | モデル | 入力文字数 | 残クレジット | 増減 |
|---|---|---|---|---|---|
| 開始時 | — | — | — | 10,000 | — |
| 1回目 | 音声生成 | 記録なし | 450 | 9,550 | −450 |
| 2回目 | 音声生成 | Multilingual v2 | 774 | 8,776 | −774 |
| 3回目 | 音声生成 | Eleven v3 | 774 | 8,002 | −774 |
今回の条件では、入力した文字数と同じだけクレジットが減りました。774文字の入力で774クレジット、450文字の入力で450クレジットです。
⚠️ これを「ElevenLabsは1文字=1クレジット」と一般化しないでください。2026年8月19日に、このモデル・このWeb画面・この原稿で測った結果です。モデル・機能・入力方法が変われば消費は変わる可能性があります。
また、Text to Speech 専用画面には 「774 / 5,000文字」 と表示されていました。これも一般仕様として確認したものではなく、その画面にそう表示されていたという記録です。
公式は「1文字=1クレジット」と書いている(2026.08.22 再確認)
公式ヘルプには、Webで生成した場合 入力テキスト1文字につき1クレジットを消費すると書かれています。今回の実測(774文字→774クレジット、450文字→450クレジット)は、この記載と一致しました。
ただし同じヘルプに、見落としやすい但し書きがあります。Voice Library で共有されているボイスの一部には倍率(custom rate)が設定されていて、消費クレジットが増えるというものです。今回使った Koichi・Kyo では倍率はかかりませんでしたが、選ぶ声によって無料枠の減り方は変わります。
未検証改行や空白を1文字として数えるのか、半角と全角をどう扱うのかは確かめていません。 倍率のかかるボイスも試していません。原稿の全文を掲載できたら、文字数を機械的に数え直して突き合わせます。
「5,000文字」の表示と、公式の記載が食い違っている
もう1つ、確かめきれていないズレがあります。
- 事実:2026年8月19日、Freeプランで使っていた Text to Speech 画面には 「774 / 5,000文字」 と表示されていました
- 公式確認(2026.08.20):ヘルプには、Webでの1回の生成は有料プランで5,000文字まで、無料プランでは2,500文字までと書かれています
- 公式確認(2026.08.20):一方でモデル別の上限は、Eleven v3 が 5,000文字、Multilingual v2 が 10,000文字、Flash v2.5 が 40,000文字と記載されています
未検証画面に出ていた「5,000」がプランの上限なのか、モデル(v3)の上限なのかを、そのとき確認していません。 表示の条件がどちらで決まるのかも分かっていません。
公式の記載が間違っている、とは書きません。分かっているのは、2026年8月19日の筆者の画面ではFreeで5,000と表示されたことと、2026年8月20日に確認した公式ヘルプにはFreeは2,500と書かれていることの2つだけです。両方そのまま残します。
操作の記録
ElevenLabs
- Eleven v3 での生成時、テイク1・テイク2 の複数案が表示された
- 774文字の生成にかかった時間は体感で数秒(ストップウォッチでの計測ではない)
Murf
- 段落をブロックに分けて編集できた
- Pitch・Speed・Pause・Variability・Emphasis を調整する画面があった
- 生成にかかった時間は体感で約1分(計測ではない)
- ⚠️ 公式料金ページ(2026.08.20 確認)によると、Variability と Emphasis は Business プラン($66/月)の機能。無料プランは「Everything in Business Plan (No Downloads)」と書かれているため、無料トライアル中は上位機能に触れていたと考えられる
Speechify
- 最初に通常のSpeechify(読み上げアプリ側)へ入ったところ、「Premium 7日間無料」「その後 年額19,999円」の表示とカウントダウンが出た
- その後、Speechify Studio に別途 Free プランがあることを確認し、Studio Free へ入れた
- ボイスは多言語型で、画面には 「Japanese +22」「United States」 のような表示があった
- Enhance を押すと、原稿に [curious] [laughing] [uhm] [shouting] といった感情・話し方のタグが自動で挿入された
⚠️ 年額19,999円は運営者の画面に表示された日本円の金額です。公式の英語版料金ページ(2026.08.20 確認)では Premium は $29/月・年払いで割引と表示されており、表示が一致していません。地域や通貨による違いの可能性がありますが、確かめていません。両方をそのまま記録しておきます。
読み間違い・違和感として気づいた点
- ElevenLabs Multilingual v2:数字の読み、198円などの金額の読みに違和感。固有名詞「Notta」をうまく読めなかった
- ElevenLabs v3:原稿中の「でも……うーん」の「……」を意図しない形で発音する挙動があった
- Murf:固有名詞「Notta」の発音が不自然だった
- Speechify Studio:この観点では個別に記録していない
試聴したときの主観評価
ここからは測った数字ではなく、聞いた感想です。運営者ひとりが1回ずつ聞いた印象で、条件が変われば結果も変わります。
ElevenLabsMultilingual v2 — Koichi(Japanese Deep Calm Narrator)
声質そのものは悪くないものの、日本語としては不自然さが残りました。
よかったと感じた点
- 声質自体は悪くないと感じた
- Microsoft Teams など英語の発音は非常に良かった
気になった点
- 日本語が「日本語が上手な外国人」のように聞こえた
- 数字の読み方に違和感があった
- 198円などの金額の読みにも違和感があった
- 一部、日本語のイントネーションが不自然だった
- 固有名詞「Notta」をうまく読めなかった
- プロの日本語ナレーションとしてそのまま使いたい品質ではなかった
- 条件
- 約774文字の共通原稿/Freeプラン/初期設定のまま
これは測定値ではなく、上の条件で聞いたときの運営者ひとりの感想です。 ボイス・モデル・設定・原稿が変われば結果は変わります。
ElevenLabsMultilingual v2 — Kyo(Low, Soft & Steady)
声質はかなり好みでしたが、日本語の不自然さはKoichiと同じ傾向でした。
よかったと感じた点
- 低く落ち着いた男性声で、声質そのものはかなり好みだった
- OpenAI・ChatGPT など英語の発音は非常に良かった
- 感情表現自体は悪くなかった
- JIBUNMUKI のアルファベット表記は比較的うまく読んだ
気になった点
- Koichiと同様、日本語は「日本語が上手な外国人」の感じが残った
- 数字・売上金額などに違和感があった
- 固有名詞「Notta」の発音も不自然だった
- YouTubeナレーションや研修動画にそのまま使うには精度が足りないと感じた
- 条件
- 約774文字の共通原稿/Freeプラン/初期設定のまま
これは測定値ではなく、上の条件で聞いたときの運営者ひとりの感想です。 ボイス・モデル・設定・原稿が変われば結果は変わります。
ElevenLabsEleven v3 — Kyo(ボイスも原稿も変えず、モデルだけ変更)
ここで評価が大きく変わりました。今回の検証でいちばんの発見です。
よかったと感じた点
- 日本語が一気に自然になった
- 「日本人が普通に読んでいる」と感じられる水準だった
- 数字の目立つ読み間違いも感じなかった
- 感情表現も非常に良かった。「え、本当にできたの?」に自然な感情が乗った
- YouTubeナレーション・商品紹介・研修動画に使えそうだと感じた
- 生成速度も非常に速く、774文字でも体感で数秒だった
- 生成テイク1・2の複数案が表示された
気になった点
- 「でも……うーん」の「……」部分を、意図しない形で発音する挙動があった
- (原稿をTTS向けに調整すれば改善する可能性があるが、今回は試していない)
- 条件
- 約774文字の共通原稿/Freeプラン/Multilingual v2 のときと同じKyo/モデルだけ v3 に変更
これは測定値ではなく、上の条件で聞いたときの運営者ひとりの感想です。 ボイス・モデル・設定・原稿が変われば結果は変わります。
Murf日本語 — Denki / Gen 2 / Conversational
音声は今回の設定では一段下に感じましたが、編集画面は3社の中でいちばん触りごたえがありました。
よかったと感じた点
- 編集UIが良かった。Pitch・Speed・Pause・Variability・Emphasis を細かく調整できた
- 段落をブロックに分けて編集できる点も良かった
- ElevenLabs Multilingual v2 より少し良い程度と感じた
気になった点
- 日本語にはまだ不自然さが残った(主観的には「v2.2くらい」という印象)
- 固有名詞「Notta」の発音も不自然だった
- 3分間聞き続けたいとは思わなかった
- YouTubeナレーションにそのまま使いたいとは感じなかった
- 生成に体感で約1分かかった
- 条件
- 約774文字の共通原稿/Freeプラン/ほぼ初期設定/最適設定までは追い込んでいない
これは測定値ではなく、上の条件で聞いたときの運営者ひとりの感想です。 ボイス・モデル・設定・原稿が変われば結果は変わります。
Speechify Studio日本語対応ボイス(画面表示「Japanese +22」「United States」)
入口の分かりにくさとは対照的に、音声品質は高いと感じました。
よかったと感じた点
- 品質はかなり高かった
- ElevenLabs v3 と遜色ないと感じた
- 日本語が自然だった
- 実戦利用できる品質だと感じた
- 生成も速かった
- YouTubeナレーション等にも使えそうだと感じた
気になった点
- 無料利用への導線が初見では分かりにくかった
- Premiumトライアルへの誘導が強く感じられた
- カウントダウン表示で焦らされる感じがして不快だった
- 条件
- 約774文字の共通原稿/Studio Free プラン/Enhance なし
これは測定値ではなく、上の条件で聞いたときの運営者ひとりの感想です。 ボイス・モデル・設定・原稿が変われば結果は変わります。
追加検証:Speechify Enhance
Enhance を押すと、原稿に感情・話し方のタグが自動で挿入されました。Enhance後の感情表現は、ElevenLabs v3 より少し上かもしれないと感じた箇所もありました。ただし大差ではありません。
⚠️ これは3社の同条件比較ではありません。Enhanceを使ったSpeechifyと、通常状態のElevenLabsを並べて比べることはできません。ElevenLabs側にも同等の調整をしたうえで比べ直す必要があり、今回はやっていません。
今回わかっていないこと
- 各サービスの最高性能モデル・最適設定は追い込んでいない
- Murfで試したのは日本語ボイス1つ(Denki)だけ
- Speechifyで使った日本語ボイスの正確な名称を記録していない
- Speechify の設定・モデル名も記録していない
- 生成速度は体感であり、計測ではない
- 「……」の発音は、原稿調整で改善するか未検証
- すべて無料枠での検証。有料プランでの品質は未確認
- Enhance前後の同条件比較ができていない
- 日本円での実際の請求額は未確認
次にやる検証
- 改行だけを変えたA/B(改行57個 / 改行を減らしたもの)で、消費クレジットの差を測る
- 「774 / 5,000文字」の5,000が、プランの上限なのかモデルの上限なのかを確かめる
- 生成速度をストップウォッチで計測し直す(体感をやめる)
- ElevenLabs v3 の「……」を、原稿をTTS向けに書き換えて再テストする
- Murf を他のボイス・追い込んだ設定で試し直す
- Speechify のEnhance前後を、ElevenLabs側にも同等の調整をしたうえで比べ直す
- 商用利用が認められる有料プランで生成し直し、音声ファイルを公開できる状態にする